忍者ブログ
  • 2024.10
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 2024.12
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【2024/11/24 23:11 】 |
夏目漱石『明暗』
 かの、夏目漱石の『明暗』をようやく読破した。二ヶ月以上かかってようやく読み終えた計算になる。
 小説家を目指すものとして、夏目漱石の諸々の技巧は敬服するほかない。
ストーリーとして、何か派手なアクションがあるわけではない。ただ、主人公たちのぐちゃぐちゃとした内面を描いているだけだ。並の人が書いた文章なら、そんなの読んでるだけで気が滅入って、途中で投げ出してしまうに違いない。
 漱石の文章は、なぜだか読んでいてワクワクしてくる。なぜだろうか。
 小説は大きく二つの要素に分けることが出来る、と思う。内容と表面だ。内容がただ「夕立が来た後は快晴だった」という事実だけだとしても、「夕立は、彼の心に降る悲しみのごとくであった。だから、ひとしきり泣くと、そこには真夏の太陽のごとき熱い思いが残った」などと、文章に味付けできる。その味付けのことをここでは表面と呼びたい。
 漱石はそうした表面のプロだと思う。もちろん、職業作家はみな、当たり前にその力を持っているが、『明暗』を読む限り漱石はずば抜けている。あらすじに全く盛り上がりがなくとも、表面の力だけでここまで読者を引っ張れるのだ。
 
 最も、自分が今のところ目指しているのはエンターテイメント小説なのだから、あらすじもしっかりしないといけないのだが……。
PR
【2011/12/11 10:12 】 | 読書日記 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
<<独創と模倣の区別がつくか | ホーム | 直接経験について>>
有り難いご意見
貴重なご意見の投稿














虎カムバック
トラックバックURL

<<前ページ | ホーム | 次ページ>>