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わたしは普段、エロゲーなどやらないのだが、偶然見つけた『素晴しき日々』をアマゾンで買ってしまった。
偶然、その経緯はこうだ。 東浩紀の『動物化するポストモダン』などの、オタクサブカルチャー系の本を昔から読んでいて、ある種のエロゲーが現代思想と深くつながっていることは、大分前から知っていた。そこで、世間で話題になっているエロゲーのいくつかを購入し、やってみたのだが、いまいちぴんと来なかった。そこで、いったんエロゲーとは縁を切った、つもりだったのだが……。 やはり、現代思想とエロゲーのつながりについて詳しく知りたいと思い、グーグルで「ウィトゲンシュタイン エロゲー」で検索してみたところ、このゲームが引っかかったというわけだ。 ウィトゲンシュタインの独我論を主軸に据えたエロゲー、と言うことで、僕の心は久しぶりにワクワクを感じ、すぐに購入した。それが平成23年8月末のことだから、発売から一年以上たっており、世間での旬は大分過ぎていたようだが。 すぐに、やってみた。 好き。 この雰囲気、思弁的な内容、大好き。 そう思った。すぐにはまった。 仕事で泣きそうなことがあっても、専門学校の教師から頭にくることを言われても、家に帰って土日はこのゲームをやれる、という気持ちが、大分心を支えてくれていたと思う。もちろん、いい大人なんだから、ゲーム以外にも心の支えは用意しているけどさ……。 <ここからネタバレになるから、要注意> 自分は、こんな小説を書いてみたいと本気で思った。 ウィトゲンシュタインだけではない。キリスト教神学も、世界中の文学も、そして多分、仏教の輪廻転生の思想も……、つまり、僕の好きなありとあらゆる要素が、「不連続存在」という一つのテーマに則って展開されている。 これは哲学という抽象的な分野の、エロゲーというイカ臭い現実への応用と言えよう。まさに、物語工学! 哲学者が苦闘して考えた手練手管を、ふんだんに使った壮大な物語なのだ! もちろん、我々は物語を作るとき、どんな作品でも少しは、本人の意図を超えて、過去の哲学者の発明した手練手管を使っているのだろうが、このゲームの作者はそれを意図的に行っている。少々、マニアックすぎて、現代思想に興味のない人は、投げ出してしまうかもしれないが、でも、なんて言うか、インテリ層にはもってこいのゲームだろう。逆に、インテリぶっている奴が嫌いな人は、ダメかもしれない。 それにしても、このゲームの作者、SCA自さんは、どういう頭をしているのだろうか。一度、あって話をしてみたい気もするし、怖いような気もするし……。 PR |
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